シアンの憂鬱な銃

主人公は刑事。ある日、放火の現場に駆けつけた所、西洋人の少年から、犯人らしき人物を示唆される。その少年は、「人の罪が見える」と意味深に告げて立ち去ってしまう。実は神父だったその少年に、別件の殺人事件の調査協力をした所、その事件から浮かび上がった大きな謎に関わっているようで...と言うお話。

堅苦しくない刑事が主人公で、謎めいた少年と協力しながら大きな闇を追う、と言う展開は良かったです。厳しい過去を抱えた少年の凍った心が、主人公の言動で少しずつ溶けていく所とかも。目に見えて距離感が縮んでいく展開は素敵ですね。
ただ、終盤になるに従って、話が大きくなって微妙にまとまりが。後半ほど展開が早かったからでしょうか、読んでいてキャラに感情移入出来なくなってしまったのが残念でした。
こんな感じの1冊でした。最後のイラスト、素敵だなぁ。とても印象に残る。