Tとパンツとイイ話

第7回MF文庫Jライトノベル新人賞・優秀賞受賞作。
ある日起きたら、抱き枕が後頭部に融合していた。取ろうとしても感覚まで繋がっていて無理な事は出来ない。その後、幼馴染や親友と触ったら手が離れなくなってしまい...と言う感じに話が始まります。

いきなり抱き枕が融合と言う、物凄いインパクトで始まった話でしたが、読み進めていくと学園異能モノでした。思念糸と呼ばれるものを持った存在は、それぞれ様々な特殊能力を発揮するようになる...と言う設定で、主人公は「物同士を混ぜられる」と言う力を持ったぬいぐるみと力を共有した、と言う設定。
様々な力を持った相手とのトラブルに主人公達が巻き込まれていく事で進みます。ヒロインが主人公にベタぼれだったり、親友は変態だったりと、特徴のあるキャラクタと、軽めのテンションでテンポ良く話が進み、読みやすくて良かったです。力によっては危険なものもあるのですが、そこまで深刻な事態にはならずに進むので、安心して読めるのも良かった。
個人的には、主人公の親友がツボ。イケメンなのに中身は完全な変態。でも、敵として登場した変態に対して「変態とは紳士であるべきだ!!」と、説き伏せる展開が大好き。読んでいて『いぬかみっ!』の変態達を思い出しました。輝いていたなぁ。ヒロインも美人なのに微妙に残念な性格で、でも主人公とは大変良いコンビ。ライバルキャラもいないので、バカップルぶりを見せつけてくれました。

こんな感じの1冊でした。この軽いノリで進むのかと想えば、終盤には大きめな伏線が張られていて、ちょっとビックリ。どうなる事やら。