正捕手の篠原さん

第7回MF文庫Jライトノベル新人賞・審査員特別賞受賞作。
殆どの話が見開き2ページで終わる、連作短編。主人公は高校野球部の正捕手で、テンションの高いいたずら好きな女子マネやドジな顧問、そして女子と見間違わんばかりの容姿とスタイルを持ったエースピッチャーとが繰り広げるコメディです。

とても面白かったです。最初、2ページで終わる短編とは知らずに読んだので、あっと言う間に話が終わって戸惑いました。ガガガ文庫の『Gj部』をさらに短くしたような構成。しかし慣れてしまうとテンポが物凄く良く、さらに話毎のオチがツボにハマる事が多くて笑いが絶えませんでした。
野球部と言う事で、少しは野球をするのかと思いきや、ゲーム自体はせずに、野球っぽい要素を使って話を進めていく展開。落ち着いた雰囲気の主人公が女子マネのいたずらにツッコミを入れたり、エースピッチャーの性別がやっぱりアレで正体を知ってアタフタしたり、妹が野球部に入部してきて場がカオスになったり...と、これでもか! と色々な要素が詰まっていて良かったです。2ページに1度、必ずオチがあるんだから、内容が濃くなるのも当たり前か。後半はいくつかの話を繋げて1つの話にしている場面もあり、必ずしも2ページ完結と言う訳ではありませんが。

あとがきを読む限り、続きが出そうな雰囲気。凄く楽しかったので、続きにも期待。