泳ぎません。

比嘉智康の新作。舞台はとある高校の水泳部。タイプが違う3人の女の子たちが、厳しい練習の合間にある休憩時間、プールで泳がずにノンビリする...と言うお話。

何とも言えない1冊でした。ノンビリマッタリ、ちょっとした日常を書いたお話...と言えなくも無いですが、ラブコメだと思っていた前作『神明解ろーどぐらす』が最後にはああなった事を考えると、どうしても身構えて読んでしまいます。『ギャルゴ!!!!!』も予想外の方向に進んだし。
ダラーンとした休憩時間、基本的には3人のヒロインの会話だけで話が進みます。その微妙にけだるい雰囲気は良い感じ。だらけきった空気のまま進むのかな? と思いきや、どの話でもちょっとずつ顔を見せるかの様に話に絡んでくるのが、謎の男子生徒・神卵太郎くん。主役を張るような感じでは無く、あくまでもヒロインたちがメインで活動する中、時折目の端に映る...と言うか、出番はとても少ないのに印象には残ると言うか。ヒロインの一人称で話が進むので、余計にどんな意図があるキャラなのか分かりません。このキャラがいるから、今後何かやらかすんじゃないか? と言う期待と不安が拭えない。
ここから先、どんな展開が待っているか非常に楽しみです。