双界幻幽伝 宿敵は神出鬼没!

  • Title : 双界幻幽伝 宿敵は神出鬼没!
  • Author : 木村千世 / Illust : くまの柚子
  • ISBN:9784047274389 / B's-LOG文庫

幽霊が見えて話も出来るけれど、根っからの引きこもりである公主・朧月と、彼女の力を借りるために引きこもり状態から引っ張り出す武官・蒼刻の2人が繰り広げるお話の2冊目。今回も舞台は皇都。都では黄巾賊の幹部で蒼刻に呪いをかけた張宝なる道士が暗躍していて...と言う展開。

前巻に引き続き、この2巻も大変面白かったです。朧月と蒼刻の関係に、終始ニヤニヤが止まらない。もう甘くて甘くてどうしようかと。傍から見たら、どう見てもバカップルにしか見えないんですが、本人たちは無自覚と言うのがヤバい。朧月は持ち前の引きこもりっぷりから、自分なんかが好かれる訳が無いと思い込んでいるし、蒼刻は女性との付き合い方を知っているのに、言動の一つ一つがストレートと言うか何と言うか。てっきり自覚の上でやっているのかと思っていたのに、実は素だったとか...もうね!!!!
朧月は1人でも凄く可愛らしくて読んでいて飽きません。いじられキャラなので、登場する様々なキャラにからかわれてはオドオドしては蒼刻の背中に隠れ、二言目には、帰りたい、引きこもりたいと呟く。その様はまさに珍獣。でも、こんな子が傍にいたら、ちょっといじりたくなるのは分からないでもない。1人でもそれだけ魅力的なキャラなのに、蒼刻と揃うと前述の通り、物凄い勢いで無自覚な2人の世界を作るもんだから、悶えるしかありません。あまりの甘さに、読み終わるまでに途中で何度か休憩を挟んでしまったぐらい。
キャラの方に目が行きがちでしたが、話としても方向性が出てきて良かったです。蒼刻に呪いをかけた道士・張宝の登場で、色々と伏線が張られたように思います。蒼刻への呪いと、幽霊が見える朧月の「双界の瞳」。張宝の狙いがどこにあるのかハッキリとは分かりませんが、今後も話に大きく絡んでくる事は間違いなさそうですね。

しかし、最後の最後で凄い引きになっているんですが...朧月はどうするんだろう。とても楽しみ。