ランジーン×コード tale.3.5

シリーズ新刊は短編集。デカルトに焦点を当てた水着回に、刑事さんの話、ロゴの誕生日の話に、最後は成美の過去とゼムト誕生の話で、合計4編が収録。
軽い話から重い話まで、様々な種類の話が読めて楽しい1冊でした。デカルトが主人公の話は見事なまでに水着回でしたが、デカルトが可愛らしすぎてヤバい。いや、猫なんだけどさ...。ただの水着回では無く、デカルトのコトモノとしてのあり方も分かって良かったです。中の人が見たい!
ロゴの誕生日の話は、キツネが超頑張っててニヤニヤ。元々、キツネ派な人間としては大変美味しいお話でした。由沙美と言う正ヒロインがいるけれど、これならまだ頑張れる...はず。これでひねくれている部分が無くなれば完璧なんだろうけど、そうしたらキツネじゃないもんなぁ。とにかく応援したい。
最後の成美の話は、1巻よりも前の話。ゼムトが生まれ、何故彼女が1巻に続くような行動を取ったのか。その理由が明らかにされます。この話が凄く良かった。成美の苦悩が手に取るように伝わってきて、読んでいて辛いぐらい。逃げても逃げられなくて、気が付けばどうにもならない状況に追い込まれて。壮絶でした。でもまだ彼女に平穏は訪れない。波乱を予感させる終わり方が良い感じに不安を煽ってくれました。これは本編に繋がる流れだよなぁ。
こんな感じで、次の本編が楽しみになる良い1冊だったと思います。続きが楽しみ。