101番目の百物語 4

数々の都市伝説に巻き込まれる「百物語の主人公」に選ばれた主人公が、その都市伝説を身に宿したヒロイン達と共に、他の都市伝説と戦うお話の4冊目。前巻のラストで、主人公の従妹も『主人公』で、その物語は『終わりなき千夜一夜』と言う強敵と言う事が判明。その従妹・理亜が主人公を自分の物語にする..と宣言した所からの続きです。

とても面白かったです。厳しい状況から始まった序盤は、どうやっても勝ち目が無いような状態。理亜の考えが良く分からないままに、ただ妹と戦う事だけは絶対に出来ない。耐える事しか出来ない展開がとても辛い。
しかし、どうして理亜が主人公の敵として立ちはだかるのか、その理由が分かってからの話の展開が素晴らしかったです。彼女が戦うのは主人公のため。主人公が理亜を止めたいのは理亜のため。互いが互いの事を心の底から大事に思っている。この事実が分かってから、主人公が徐々に決意を固めていく展開が良かった。自分一人では力不足で、だからヒロイン達の力を借りて。多めのラブコメ成分と共にヒロイン達との絆を深め、そして下した結論が最高でした。
相手の言い分は良く分かるけど、守られるだけでは嫌だ。そんな気持ちから辿り着いた、「共に戦う」と言う結論。そして相手に自分の実力を、想いを分かってもらうための戦い。覚悟を決めた戦いだけれどそこに悲壮感は無く、寧ろ見えたのは前に向かうための希望。こんなに熱い展開になるとは...大好きです。
そして、最終的な目的となる都市伝説もハッキリ。そうか、これがあったよ...。確かにこれは世界最大の都市伝説ですね。これ以上無いほどに手ごわいだろうけれど、でもこの主人公なら何とかしてくれる、そう思わせてくれる力強さがあります。続きがとても楽しみ。物凄い所で終わってるし!!