寄生少女サナ

第5回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。主人公は高校生。ある日、研究者である父親のサンプルを間違って食べてしまう。そのサンプル、実は進化したサナダムシ。身体の一部を分体として宿主の外に出す事が出来、その姿は自由自在に変えられる。主人公に寄生したサナダムシはサナと名乗り、その分体は美少女で...と言う展開。
面白かったです。ヒロインがサナダムシとは新し過ぎるな! と思いましたが、話の展開は普通にラブコメ。宿主を護るために奮闘するサナが可愛らしかったです。話がとても良くサクサクと進む上に、会話が面白く、時折ツボにはまって笑いを堪えるのが大変でした。突然始まる主人公の脳内会議とか、テンションの高い展開がとにかく面白い。また元々寄生虫なので、人間の世界での生活では常識の差によるハプニングも良い感じ。さらに主人公の従妹が変態過ぎたり、キャラが皆立っているので飽きませんでした。
ただ、主人公が他人との交流を嫌っている、と言う設定なのに、普通に友達が沢山いて普通に生活しているようにしか見えない部分は少々微妙。これだけ社交的な生活を送っているのに、心の中では人から離れて生きたいと思っていると言われても...。それだけに、この葛藤から来る終盤のシリアス展開がどうにもスッキリしませんでした。
しかしテンポの良い掛け合いは面白かったので、この部分のノリが続くなら続編もしくは次回作も楽しめる気がします。期待。