神様のメモ帳 7

アニメ放送中の『神様のメモ帳』シリーズ7冊目。
今回の依頼は活躍中のアイドルから。何年も行方不明の父親を探して欲しいと言うもの。写真をみせてもらうと、それは知り合いのホームレスだった。しかし当人に話しても、自分が父親だとは頑なに認めない。さらに、ホームレスがサバイバルゲームの銃で襲われる事件が相次ぎ...と言う感じに話が始まります。

後味は悪いんだけど、その中にも一筋の光が見える。そんな1冊でした。面白かったです。
父親とは認めないホームレスを、如何に説得するのか、と言う展開になるのかなぁと思いながら読んでいたのですが、実際にはそんな生優しい展開ではありませんでした。ここまでするか...と思わずにはいられないような残酷な展開。顔を覆いたくなるような気分でしたが、そこで目をつぶる訳にもいかず。アリスや鳴海たちは、いつもこんなやるせない現実を前にして生きているのか...。
また、この事件にサバイバルゲームの武器が絡んでくるとあり、少佐が普段とは違う雰囲気で調査に向かいます。彼の過去と、何故そんなに必死になるのか。その理由が凄い。普段から法律なんて気にせず生きている少佐だけど、だからといって無法者である訳じゃない。そこには彼なりの掟があって、彼なりの筋の通し方がある。格好良い格好悪いなんて次元じゃないですね。壮絶でした。
そしてアリス。依頼主のアイドルと鳴海が仲良くしているのを見て、嫉妬に燃える所がとても良かったです。ちょくちょく表に出るようにもなったし、大分変わってきたなぁ。

こんな感じで、とても満足な1冊でした。続きにも期待。