月見月理解の探偵殺人 5

シリーズ最終巻。月見月家の豪華客船で繰り広げれる、最後の探偵殺人ゲーム。前巻までの予選を終えて、遂に決勝戦...と言う展開。
ほぼ1冊全部使って、2回の探偵殺人ゲームをしっかりと書き切る感じの展開でした。これまでの予選では、本当に人が死んでいるかどうか明言は無かったと思うのですが、この決勝は別。ゲームに負けると本当に人が死んでいく様がハッキリと書かれています。その極限状態の中、頼れるのは己の頭脳のみ...と言う状況でゲームを切り抜けていく展開がスリリング。
特に理解が自分の能力を失ったかのようになってしまったのが怖い。相手の考えが読める、と言うこの手のゲームでは非常に有用な力でしたが、これが封じられた状態で如何にして生き残っていくのか。完全に頭脳戦になっていて、自分の理解が追いつかない勢いでしたが、雰囲気だけは良い感じに楽しめました。
しかしこの主人公は凄い。理解とは違い特殊な能力は一切持たないのに、最後の最後まで自分の思惑を隠して切り抜け、目的を達成する。強い人だなぁ。