調停少女サファイア 1

ケンタウロスウンディーネドワーフなど、様々な種族が暮らす世界が舞台。種族間の摩擦を調停する役目を負った竜の末裔である青年と、彼の代理として調停を司る少女・サファイアを主人公に、旅をしながら調停をしていく...と言うお話。

本の虫で、普段はおどおど頼りないサファイア。しかし一度調停となると豹変します。種族間の調停...と言う事は、そこに何かしら、調停が必要な問題があり、その問題は対立する種族間で見え方が違う。その認識の齟齬を、隠されていた秘密を、いつもの振る舞いからは想像もつかないようなキレで暴いていくサファイアが凄かったです。
また、イラストが全体的に可愛らしいのに、話の展開が結構えげつなくて、流石はこの作者だなぁと感心してしまいました。世界で最後の1人なってしまった竜の末裔。しかも旅の間に何者かから命を狙われる。そんなパートナーのため...と、サファイアの生き方はこれがベースにあるのですが、そのやり口がここまでやるか! と思うぐらい。でも陰湿な雰囲気は全然なくて、これと決めた道を断固とした覚悟で進んでいく様が、ある意味壮絶でした。

こんな感じのお話でした。しかしどんな雰囲気の話かは、あとがきを読むのが一番分かりやすいんじゃないかと思います。そうか、勇午か....。