中の下! ランク5

シリーズ最終巻。
カップル試験でヴィーナス賞を取るため、ここまで努力を重ねてきた成道ですが、でも本当に好きな人がヴィーナスになるとは限らない。そんな当たり前の事に気付かされ悩む。前巻では自分の気持ちが、暫定ヴィーナスの絽美では無くて雪菜の方にある事に気付いた所で終わっていましたが...今回はそこからの続きです。

気付いてしまった気持ちは押し殺す事が出来ず、また隠し続ける事も無理。でも、成道の「ヴィーナス賞を取る」と言う目標のため、例え成道の気持ちが自分に向かなくても協力を惜しまない周りの面々が素晴らしかったです。愛情と友情が混ざり合い、失恋してもその先にあるのが別れではなく、親友...と言うのは幸せな事なのかな。ちょっと辛い気持ちを引きずりそうだけれど。
そんな風に絽美、莉子、雪菜に背中を押され、自分の気持ちに確固たる自信を持って、カップル試験の最終日へと挑む成道。彼の下した決断は...やっぱりそうだよね。ここで違う人の名前を書いたらどうしようかと思いましたが、そこはこの1年で成長に成長を重ねた成道。ちゃんと選んだ事に拍手! 良いラストでした。
しかしカップル試験って最初に読んだ時には「なんだそりゃ」と言う印象が強かったのですが、まさかこんなにも良いお話になるとはなぁ。読んで良かったです。次回作にも期待しています。