ゴーストハント 4

シリーズ4冊目。今回はとある学校が舞台。学内で立て続けに起こる心霊現象。校則による締め付けの厳しい学校で、教師陣は心霊現象に否定的な態度を崩さないが、怪我人まで出る状況では無視する事も出来ず、主人公達の心霊現象調査会社へと依頼が来て...と言うお話。

面白かったです。協力どころか足すら引っ張る教師側を抑えこんで、生徒会長が協力してくれるなか調査が進むのですが...生徒達が「常識」と思い込んでいた事が、部外者からしてみたら常識では無かった。そんな認識の齟齬がアチコチにあって、その齟齬が取り除かれた瞬間に、唐突に明らかになる真実の怖さにゾクゾクとしました。
しかもこれが1回だけじゃないのが凄い。こんな厳しい学校でコックリさんが流行っているなんて思わなかったし、しかもその流行り方が尋常じゃないなんて想像もしなかった。さらに一番最初、本文に入る前に虫の絵が書いてあるのですが、全然中身とリンクしなくてなんだこれ? と思いながら読めば、霊たちが喰い合っていく展開から蠱毒と気付いた衝撃。一体何度ゾッとさせられた事か。ラストも、こんな方法で何とかするとは予想外でした。暗い展開で終わる事を覚悟していただけに、一層素晴らしかったです。

しかし読んでいて、麻衣はちょっと迂闊過ぎるだろう...と言う気がしてきました。夢のなかで見た事を信じないのは分からないでも無いけれど、過去にも同じような形で夢を見た事があるんだし、誰かしらに相談すれば良かったのに。でもこれで自覚が出来た事だし、次からは変わるのかな。