棺姫のチャイカ 2

滅亡したガズ帝国皇帝の娘を名乗る少女・チャイカが、バラバラにされた父親の遺品を取り戻すために、主人公である乱破師・トールとその義妹と共に各地を旅して回るお話の2冊目。今回は、とある竜騎士が持っている、と言う情報を得て、赴くが...と言う展開。

面白かったです。これぞ榊一郎! と言う鉄板の作りに安心して読めました。他に特に言う事が無いくらい、安定した展開に流石だと思いました。程良い割合でシリアスな展開とコメディな展開が混ざり合い、最後までテンポよく読めるのが素晴らしいです。
竜騎士の家へと思わぬ形で招かれ、しかし裏を掻く事無く、正面から遺品の回収を切りだす展開には、いくらなんでも正直過ぎるだろう...とも思いましたが、この世界の竜騎士とは即ち最強の代名詞。策を弄してどうにかなるような存在では無く、それであれば正面突破、と言う考え方は好きです。
国を騒がすチャイカ達には追っ手が放たれているのですが、こちら側にも色々と事情がありそうで、一方的な善悪に分かれていないのが良いです。今のところ、顔を合わせれば争う間柄ですが...この先、ずっとこんな関係なのかな。なんか変わりそうな気もする。
ラストでは思わぬ展開で旅の道連れが増えてビックリ。正体まではなんとなく想像がついたけれど、そこからまさかこう来るとは...。今後の旅路が面白くなりそう。続きが楽しみ。