レディ・マリアーヌの恋人

憧れの人を追いかけ、騎士として生きてきたヒロイン・マリアーヌが失恋を経験し、女性らしさを磨こうと、姫の話し相手として王宮で暮らすお話の2冊目。これにて完結です。

終わってしまった...。もっと続きを読みたい! と思うぐらい面白かったです。王宮で開かれるローズウィークと呼ばれるお祭り。これを妨害しようとしている輩がいるとの情報を入手したロベルト王子は、マリアーヌと再び対策に駆け巡る展開。
ロベルトのマリアーヌへの想いは隠す所なくストレートに表に出ているのですが、マリアーヌが奥手過ぎると言うか、「まさか自分が好かれるハズがない」と言う思い込みが強くて、素直に受け取らない展開にヤキモキさせられっぱなし。さらにマリアーヌの執事・カイルが策士。見事な助言で、ロベルトの気持ちを微妙に勘違いさせるものだから、マリアーヌは「やっぱり自分なんて...」と落ち込むしロベルトは面白くないし。本当に一筋縄では行かない展開が続いて面白かったです。
マリアーヌは、格好良さと可愛らしさが絶妙なバランスで共存している所がとても魅力的。今回も、騎士として生きてきた男勝りの経験から来る頼もしさを存分に発揮してくれました。乗馬のシーンとか、素晴らしかった。これは他のレディ達が憧れるのも無理は無い。でもその一方、自分の恋の話になると臆病で。ロベルトへの気持ちを押し込めて苦しんで、でも彼から向けられる愛情にはドギマギして。揺れる心模様が良かったです。

そして迎えた終盤の展開が最高。マリアーヌの頑なになってしまった心を強引にこじ開けるロベルトが凄く格好良かったです。この行動力は素晴らしい。ラノベの主人公も少しは見習って欲しいわー。このぐらいの積極性が欲しいよね。

しかしこれで完結か...。もう少しマリアーヌとロベルトの甘い話を読みたかったけれど、そこは想像で補おう。全2冊、とても楽しいシリーズでした。満足!!