ふぁみぷれっくす ぼりゅーむ3

不動産屋の手違いで、3姉妹と同じ家に住む事になってしまった主人公のお話の3冊目。今回は、両親の離婚で離ればなれになっていた主人公の妹がやってくる展開。

ブコメ的な展開もありつつ、家族ものとしての側面も強化された印象の1冊。相変わらず面白かったです。幼い頃に別れて以来、交流の無かった妹の登場に戸惑う主人公。なにせ、見知らぬ3姉妹と同居している状況に、本当の妹が来る...と言う展開で、揉めない訳が無い。離ればなれになっていた期間が長かったため、妹は兄と言う存在への想いが募りに募り、でもそれを素直に言えなくて、素っ気ない態度と怒りが前に出てしまって、上手く話せない...と言う状況が大変もどかしくて良かったです。しかも兄は自分の知らない人達と「家族」になっている。自分は家を空けがちな母と2人暮らしなのに...と、嫉妬する心まで見え隠れする展開には、悶えまくり。
でもそこは高林家。長女の天然さと無垢な愛情に救われたなぁ。いつもは頼りなさげですが、こう言った状況では本当に頼りになる。

また、主人公と同じように血の繋がらない3兄弟と暮らすクラスメイトから紹介され、自分達と同じように謎のSNSを知り、血の繋がらない家族と暮らす人が沢山いる集会へと参加。他にも同じ状況の人がいる事が明らかに。これは一体どう言う事なんだろう。家族ものの側面がある一方、その家族の設定が、SNSの存在のせいで、どこか超常めいた気配がして、不安が頭の片隅にこびりついて離れません。いつかいなくなってしまうんじゃないか? と思ってしまう。集会の参加者についての話を読んでしまったら、余計に...。

こんな感じに、とても楽しめた1冊でした。この先どう進むのか、とても楽しみ。