101番目の百物語 3

様々な都市伝説に巻き込まれる「百物語の主人公」として選ばれた高校生の主人公が、ヒロインたちと共に、人に害をなす都市伝説を解決していくお話の3冊目。今回は『怪人赤マント』と『ベッドの下の怪人』と言う都市伝説を軸に話が進みます。

面白かったです。主人公がとても主人公っぽくて良いお話でした。「百物語の主人公」に選ばれてしまった主人公がなさなければならない目的は、100の都市伝説を自分の物語とする事。しかし都市伝説を集める「主人公」は他にもいて、今回は「主人公」同士がぶつかる展開。これまでの巻では、自然発生した都市伝説のみを相手にしていましたが、特定の「主人公」に使われる都市伝説を相手にするのは、向こうも仲間と組んで戦いに来るので、より厳しい戦いとなります。しかし主人公は「百物語の主人公」と言っても、特殊な力を持ちあわせている訳ではなく、せいぜい都市伝説に巻き込まれやすくなっているだけ。都市伝説を具現化したヒロインたちを「自分の物語」として、力を借りて戦う展開なのですが、自分に力が無いからと言って後ろで隠れているような事はせず、積極的に前に出ていく姿勢が好印象でした。

新しく登場した都市伝説では、『怪人赤マント』がアホの子で面白かったり、『ターボ婆』の解釈が斬新で良かったです。基本的に都市伝説は女性の形で現れるので、巻を追う毎に主人公周りのハーレム化が進むと思っていたのですが、流石に打ち止めっぽい? この巻では1人も増えませんでした。他の「主人公」周りのキャラが顔見せしたけど。そして「終わらない千一夜物語の主人公」を名乗る主人公の登場にはビックリ。微妙な伏線の張り方をしていたので、多分あのキャラが何かしら絡んでくるんだろうなぁ...と思っていたものの、こうも直接、しかも最大の危機として立ちはだかるとは思いませんでした。本気で「百物語の主人公」になる事を決意した主人公ですが、これは何とかなるんだろうか? 凄い所で終わっているので、続きが激しく気になります。