漂う書庫のヴェルテ・テラ 5

読書狂の主人公が聖堂への復讐を誓い、「万巻の書」レジィナと共に挑むシリーズ、これにて完結。

結構な勢いで駆け足気味な内容でしたが、完結まで読めた事がまず嬉しい。3巻で第一部完結となり、第二部始まるの? と不安に思っていた所から2冊。良かった良かった。聖堂側の勢力は圧倒的で、度々絶望的な状況に追い込まれますが、それでも諦めずに挑む。ジグォルとレジィナ、そして多くの仲間達。全員が力を結集させて、聖堂の企みを打ち砕く展開がとても好みで楽しめました。
とにかく不器用なジグォルでしたが、それでもこうして多くの仲間が協力してくれると言う事は、不器用ながらもその生き方を皆に分かってもらっていると言う事。とにかく一途なキャラでした。一途過ぎて怒った時は我が身を省みない程だったので、危なっかしくてハラハラしながら見守る事もあったけど...。
恋愛方面の話も若干あったけど、ジグォル自体が鈍感と言うか本にしか興味が無いので、この先進展があるのか謎。態度とは裏腹の、レジィナの健気さが随所に見られたのが良かったけど、この想いは実るだろうか...。しかし「万巻の書」と言う本である以上、普通の人間と同じような関係を望むとは限らないのかな。

一時はどうなる事かと思いましたが、最後は無事にハッピーエンド。良かった。次回作にも期待しています。