氷結鏡界のエデン 6

シリーズ6冊目。巡回に出ていた第三位の巫女・ヴィオラと千年獅・ホルンが天結宮へ戻ってきた。ホルンはユミィを敵視していて、不穏な空気が流れる中、天結宮に魔笛を帯びている人間がいる事を暗示するような文書が出まわって...と言う展開。

今回は第三位の巫女コンビがメイン。特に千年獅のホルンに注目が。自分の家族とも呼べる少年が魔笛に侵され、しかし洗礼を得意とするユミィでもその魔笛が取り除けない事に苛立っているホルン。苛立つのは分かるけど、それをユミィにぶつけるのはお門違いだろう...と思いつつ、唯一治せる力を持っている人でも治せない、そんな状況に直面したら、どこかに気持ちをぶつけないと収まらないのも分かる。なんとも切ない。しかしユミィも逃げずに、正面からぶつかっていくので、あまりストレスを溜めること無く読めて良かったです。強くなったなぁ。

そんなホルンとのやりとりの裏で、シェルティスの秘密がバレそうになっていますが、敵の企みが良く分からないのが不気味。誰がやっているのか? は分かっても、未だその目的がハッキリしない。向こうは向こうで思惑があるのは分かるんですが、結局何がしたいんだろう。シェルティスが魔笛を帯びている事、それ自体にも意味がある、と言う伏線もあったし、ますます謎は深まるばかり。
また、シェルティスが活躍する場面が少なかったのは少し残念でした。そろそろシェルティス無双が見たい。今回は影では無双状態だったみたいだし、その事をホルンに気付かれているのは今後面白くなりそうですが...。いつまで正体は隠せておけるんだろう。

しかし、前作との繋がりは相変わらず。今回はラスティハイトの名前を見て小躍りしたよ。単純に名前だけで存在自体は全く無関係でしたが、名前が出てくるだけで嬉しくなってしまった。

次は6月だそうです。楽しみ。