メグとセロン 6

シリーズ6冊目。今回は短編と中編がいくつか入った1冊。最初は各話、繋がり無いのかな? と思いましたが、そんな事も無く。微妙に張られた伏線が後々回収されていく展開が見事。
中編は部対抗オリエンテーリング大会で新聞部が一位を目指す話と、地方の学校から短期留学生がセロン達の学校にやって来て、さらに新聞部に入部するお話の2つ。オリエンテーリング大会の話は、セロン、ラリー、メグの3人でチームを組む展開。元気一杯のメグがとても可愛くて良かったです。ホント良い娘だ。無邪気と言うか何と言うか。セロンはメグよりも体力が無くて、微妙に足を引っ張っていましたが...メグに励まされて踏ん張る所とか、その内心を思うと楽しくて仕方ない。そして、次の話ではちゃんとランニングを始めているのが凄い。メグの前では格好悪い所を見せたくないと言う一念で弱点を克服しようとする所は流石です。しかし肝心の告白が出来ないんじゃ...。そしてオリエンテーリングの裏で、ジェニーの過去に迫る話も。意外といえば意外な過去があった事に驚いたのですが、それ以上にその過去を話した事の方が意外でした。ジェニー、思っていたよりもシッカリとした人だ。
短期留学生が来る中編は、不思議な書かれ方。留学生の名前は明かされず、地の文はその留学生の事を「あなた」と表現する。二人称で書かれていると言えば良いのでしょうか。視点は三人称なんだけど。その留学生を迎えた新聞部が、「地方の国から来た留学生の視点から見た首都」と言う題材で新聞を作るのですが、これが良かった。あちこち取材をして、自分の感じた事を書き留める留学生、それに協力するセロン達。留学生の感じた感動、驚き、そして良くしてくれた仲間への感謝。こうした気持ちが真っ直ぐに伝わってきて素晴らしかったです。
最後にとんでもない伏線を張って終わっているので、続きがとても楽しみ。