そして、誰もが嘘をつく

豪華巨大飛行船が舞台。喋る小さな人形を相棒にした少年が主人公で、船に乗り合わせたとある令嬢・リラと交流を深めていた。しかしそのリラの家が持ついわくつきの青いダイヤを盗むと言う犯行予告が、世間を騒がす怪盗・セニンからあって...と言うお話。
空飛ぶ密室の中で起こる宝石を巡った騒動はミステリー仕立て。タイトル通り、誰もが何かしらの嘘をついているような雰囲気があって、一体誰が犯人? と言う部分がなかなか分かりませんでした。胡散臭いキャラは随所にいるんだけど、分からなかったなぁ。単純な怪盗騒ぎでは無く、主人公は主人公でその宝石に用がある展開で、さらには魔法なんかも飛び出したから余計に分かりませんでした。
主人公とヒロインの恋愛模様は、出会ってからすぐに恋へと落ち、しかし身分違いに周りからは疎まれ、でも燃え上がる心は冷めなくて...と、なんともロマンスたっぷりな展開で良かったです。読み終わってから、人から「ルパンみたいな話」と言われて凄く納得しました。ルパンと言っても、自分の頭の中を過ぎったのはルパン三世の『カリオストロの城』なんですが。
しかし、どうやら作者のデビュー作『君のための物語』と関係するお話らしいのですが、もう全然デビュー作を覚えてない...。部屋のどこかに埋れているはずなので、見かけたら確認しよう。