円環少女 13

遂にシリーズ完結。素晴らしかったです。この一言に尽きる。
再演大系の《神》が降臨し、世界は未来からの干渉を受け続ける。厳しい状況の中、未来からの干渉に必死に抗い、自分たちの生きる道を選んでいく。結局、皆が皆ワガママに、迷いに迷って、ようやく見つけた自分の道。その行く末がこの結末だったのかな? と思いました。
ここまでの道のりで知り合ったキャラそれぞれが自分の信念に基づいて戦い、未来からの干渉へと刃向かう展開は涙なしには読めなかったし、何よりも最後の魔法使いであるきずなの決意。辛いなんて言葉ではとてもじゃないけれど言い表せない人生を歩む決意を固めた彼女の胸の内を思うと、切なさが溢れます。
仁は最後まで身勝手で、その身勝手さに周りを巻き込んで、きずなは壮絶な人生を選ぶ。酷い話だけれど、それでも諦めきれない道だったんだろうなぁ。最終決戦は、少しの哀しさと愛に包まれて、激しい戦いの中でも、何故か戦っていると言う印象を受けなかったです。
奇蹟は無い。作中でそう繰り返されてきました。苦しく厳しい中を一歩一歩、迷いながらも前に進み、幾億の歴史の果てに掴みとったこの結末は、一見奇蹟に見えるけれど、実は必然の結果だったのではないでしょうか。

少し時間を置いて、1巻から全部読み返したいと思います。