レディ・マリアーヌの秘密

好きになった騎士の側にいたいと言う気持ちから、自分も騎士を目指した少女・マリアーヌが主人公。努力が実って実力を認められたものの、彼が好きになったのは別の、お淑やかな女性。傷心の中、乙女らしく生きる事を決めたマリアーヌは、王国の姫の話し相手にならないか? と言う誘いを受けて王宮に赴く事になり...と言う感じに話が始まります。
とても面白かったです。格好良さと可愛らしさをバランス良く兼ね備えているマリアーヌがとても魅力的。剣を振り回す生活から足を洗い、レディの心得を胸の中で呟きながら乙女として振る舞いつつ、姫の話し相手を勤めながら王宮での暮らしを始めたマリアーヌですが、それでも所々に持ち前の格好良さが滲み出てくる所が素敵。他の令嬢達を虜にするぐらいの格好良さが素晴らしいです。
さらにそんな格好良さだけでなく、可愛らしさも随所に見られてたのも良かった。女たらしで有名な第二王子・ロベルトに物申したら下僕扱いされ、王宮に浸透している謎の宗教を調べる事になるのですが、その王子とのやりとりが可愛い。最初は反発しつつも、徐々にロベルトの人となりを知り打ち解けていく過程で見せる表情が素晴らしいです。目上の人間が相手でも自分の意志を引かずに訴える力強さの中に、乙女として男性に慣れていない初々しさが見える所とか、とても悶えました。
こんな感じで、とにかく素敵なキャラばかりでとても満足な読めた1冊でした。この先、マリアーヌとロベルトがどんな関係になっていくのか、凄く楽しみ。