身代わり伯爵の挑戦

シリーズ3冊目。パン屋の跡目争いに負けて傷心のなか、ミレーユはフレッドと合わせて誕生祝いが開かれるとの事で再び王宮へ。しかしリヒャルトは隣国の王女・マリルーシャの護衛として付きっきりで側に居らず。リディエンヌの誘いで彼に毛糸のショールを編むものの、街を騒がせている怪盗に盗まれてしまい...と言う感じで話が始まります。
今回も面白かったです。遂に...と言うかようやく...と言うか、ミレーユがミレーユとして王宮で活動。フレッドと入れ替わって王宮にいたこれまでとは異なり、ミレーユとしてセシリアやヴィルフリートと出会い、交流していく様がなんとも新鮮。フレッドの振りをしなくて良いためかはたまた傷心のためか、いつもより元気に見えました。
そんな中、セシリアとリヒャルトの話が良かったです。微妙に王国の人間関係が複雑な感じがして大変だったのですが、分かってしまえば良いお話。セシリア、この年で相当な苦労を...。リヒャルトもまさかの出自でビックリ。セシリアを宥められるのはリヒャルトだけ、と言う話がどこかに書いてあったと思うのですが、そう言う事ですか。また、ミレーユとリヒャルトの天然熱愛っぷりは今回も健在。双方全く気付いていないけど...もういいからくっつけよ! と思わずにはいられません。なかなか会えないリヒャルトと、会ったと思ったら無駄に仲が拗れたりして一筋縄では行かなそうな雰囲気は相変わらずなのですが、それすら最早定番にしか思えない!
サブキャラではヴィルフリートが面白くなってきました。ミレーユの事を意識しているけど、フレッドとの入れ替わりには気付きそうで気付いておらず、ミレーユが扮しているフレッドに会ってはあれは男だ! と自分に言い聞かせたりしている様がとても良い感じ。何か可愛いなこの人。
こんな感じで楽しめた1冊でした。ラストは驚愕の引きで終わっているので、続きが気になる。