織田信奈の野望 5 - まあいいか。

シリーズ5冊目。信奈を倒すべく、信玄が上洛しようと進軍し、美濃の道三の元にも軍が。さらに浅井と朝倉に攻め立てられ、大ピンチに陥る織田家。良晴は滝川一益を動かすべく、伊勢へと向かうが...と言う展開。
素晴らしかったです。主人公との仲は持ち前の意地っ張りな性格が邪魔をして進まない中、武田信玄の登場で一気に危機に陥る信奈。父親代わりの斎藤道三には死期が迫り、辛い辛い戦いを強いられる展開が凄かったです。もう史実とは展開が異なってきて、どう話が転ぶのか分からない。ハラハラしながら読んでいました。
また、サブキャラたちが光る展開が最高。終盤の怒涛の展開には、もう泣くしかなかった。道三の決意と信奈に対する思い、斎藤義龍のまさかの展開、そして武田側の山本勘助。それぞれが信じる道のために命を賭ける展開が本当に素晴らしかったです。己の生き様を最期まで貫き、大事な人には気持ちを伝える。満足だったろうなぁ。
そして主人公と信奈。戦国と言う過酷な時代の中で大事な人達や自分についてくる兵が次々と旅立ち、孤独に震える信奈を、ただ1人支える主人公が良かったです。信奈を慕う家臣は沢山いるけれど、今の彼女を本当の意味で支えられるのは主人公しかいない。一層の絆を深めた2人の姿、良かったです。
と言う訳で大満足な1冊でした。1巻を読み始めた時、ここまで面白くなるとは全く思ってもいませんでした。続きがとても楽しみです。