シロクロネクロ

第17回電撃小説大賞・大賞受賞作。
主人公は普通の高校生。ある日、何故かゾンビに襲われて死んでしまった所を、クラスメイトでネクロマンサーだった少女・高峰雪路の秘術でゾンビとして復活。彼女は屍霊術の秘宝・ネクロノミコンを持つ事で、「クロネクロ」と呼ばれるネクロマンサーたちに狙われていた。その争いに主人公は巻き込まれていき...と言う感じのお話。

可もなく不可もなく。ある意味突き抜けていますが、ちょっと物足りなさも残るお話でした。驚かされるような展開が無かったからかなぁ。ゾンビ風味の異能バトルものでした。
生き返った主人公は、性欲を未練として蘇ったので、その欲求を満足してしまうと再び死にかねないと言う事で、持て余した性欲を発散させる事が出来ない...と言う設定。設定が設定なので、普通の高校生だったはずの主人公は立派な変態風味。あらすじや帯から、エロコメかと思っていましたが...決してそれ一辺倒では無く。どちらかと言えば異能バトルの方が分量的に多かったように思いました。ゾンビとのバトルがあるので、血やら臓物が飛び交う微妙にハードな展開がありつつ、主人公のアホな言動のお陰で重い話になり過ぎないよう救われていた感じでしょうか。加えて、敵のネクロマンサーにも事情があって、勧善懲悪な展開では無かったのは良かったです。万里王は良いキャラですね。
しかし盛り上がったラストと対照的に、終章が物凄くアッサリしていたのが微妙に引っかかる。もう少し読みたかったなーと思いました。まぁここから次の巻に続くのだとは思うのですが...。