ランジーン×コード tale.2

第1回『このライトノベルがすごい!』大賞・大賞受賞作の新刊。「破詞」を名乗る謎の集団が登場。路上でダンスパフォーマンスを繰り広げる彼らの踊りを真似たコトモノが、自分の詞を忘れ、同じく「破詞」となってしまい...と言うお話。
1巻より大分分かりやすくなっていて良かったです。「破詞」によって自分の物語を壊されていくコトモノ達を見て、物語を愛する主人公は憤り、解決のために動き出す...と言う展開なのですが、前巻で感じた世界設定の分かりにくさはかなり少なくなって、普通に読めました。設定の説明自体は1巻で済んでいるから...と言う事もありますが、話の流れ自体も分かりやすくなっているし、サクサクと楽しめました。どんどん感染していく「破詞」の設定も面白かったし。
主人公の、コトモノのためなら何でもするぐらいの行動原理が微妙にシックリ来ませんでしたが、ダリの特性を考えると、そういうものか...と納得出来なくもない。
主人公以上にこの巻で目立っていたのは由沙美さん。完全にヒロインの座に収まった感じでしょうか。主人公や他のコトモノの子供の暮らす養護施設・くるみの家に引き取られ、そこで出会った子供たちとの生活。「破詞」の事件に大きく巻き込まれつつも、くるみの家での生活をかけがえのないものと感じ、そこに戻るために大きな決心をする展開が良かったです。血の繋がりって結構重いと思うんだけど、言葉による繋がりも同じぐらい大事なんだよなぁ...。由沙美の決意は主人公の存在が大きい気もするけど。しかし話全体として、コトモノの言葉による繋がりと、その絆の重さが少し理解出来た気がします。
そしてラスト1ページがとても綺麗にまとまっていました。こう言う演出、大好き。