レッド・アドミラル 羅針盤は運命を示す

主人公は父が副官を務めた艦長に憧れ、海軍を目指して軍に入った女性・ロディア。容姿端麗に加えて実力も抜きん出ているが、軍は女性を軽視する風潮で、希望の海軍には所属出来ずにいた。しかしある日、街で巻き込まれたイザコザで出会った男に強引に連れていかれた先は軍艦。この男、その船の艦長で、ロディアはそのまま船に乗るよう言われるが...と言うお話。
大変面白かったです。主人公のロディアが超格好良い!! 男ばかりの軍の中で周りからは疎まれつつも、持ち前の腕と、どこまでも誠実かつ気高い心のもち様で生き抜いていく展開が素晴らしかったです。こんな格好良い主人公、なかなかいない。
突然船に乗れる事になり、願ってもなかった海軍所属が振って湧いた幸運。しかし艦長のランセはかなーり適当。自分の出来ない事は人に任せれば良いと言い、でも誰よりも仲間と船を愛している。一見いい加減な人物にも見えるけど、無邪気な子供のようでどこか憎めない。そんなランセに振り回されつつ、船での仕事を覚えて、ロディアが徐々に仲間として認められていく展開も良かったです。この船に課せられた使命と秘密を知り、それでもなお、ロディアが共に戦う事を選ぶ展開も、ひたすらに熱くて最高。
また主人公が女性、船の艦長が男性...と言う事で、少しは恋愛要素も入ってくるかと思いましたが、1巻では全然そんな感じがありませんでした。どちらかと言えば、互いに良き相棒になりそうな関係。この先どう転ぶのかは分からないけど。
聞いた話によれば、この先まだまだロディアの活躍は続くそうで。これ以上に活躍するのか...と思うと、とても楽しみです。