輪環の魔導師 8

久しぶりのシリーズ8冊目。聖教会の騎士団が魔族と反乱軍のいる僧院を襲い、そこに主人公達が割って入る展開。3つの勢力と六賢人たちが入り乱れ、事態の混乱っぷりが加速する展開。
戦いが中心で、殆どシリアスな展開だけで進みましたが、これまで謎だった魔族のボスが現れたり、セロとフィノの過去がまた語られたり...と、色々と明かされた事実が多くて面白かったです。そろそろ大詰めですね。複数の勢力が絡み合い、それぞれがそれぞれの思惑を持って行動しているので、話がどちらに転がるのか全然分からないのも良い感じ。
魔族サイドの話が良かったです。元々悪役だったはずが、話が進むに連れてその内情が分かってきて、主人公達とは相容れない目的を持っているものの、単純な悪と言う訳では決して無い。彼らの行動にもスジの通った信念を感じて、最早憎めません。魔族のボスが予想外の存在だったので、ちょっとその気持ちが揺らぎかけましたが...しかし、バルマーズとラダーナの話はグッと来て良かったです。
完結まで残りは2冊程度だそうです。終盤で大きく話が動き、とても気になる引きで終わっているので、続きがとても楽しみ。