百億の魔女語り 2

シリーズ2冊目。騎士候補生であるアルトに課せられた秘密任務、それは王女・フォリーナ姫のお忍び市内観光の護衛だった。しかし、首都カイゼルへと遊びに来たエーマ達を案内する日と被ってしまい...と言う展開。
とても面白かったです。とある事情から、1巻では魔女の村で修行をしたアルト。2巻では首都カイゼルへと戻り、騎士候補生としての生活が書かれます。共にやって来た3人の魔女の中でも、エーマは完全にオノボリさん状態。せっかくアルトと街を回れる...と思っていた所に、騎士としての任務が入って駄目に。それじゃあとばかりにアルトの跡をつけるけど遭遇してしまい、結局、素性を隠したフォリーナ姫とアルト、エーマとモニカで街を回る展開。これが面白い。フォリーナとアルトの関係が気になって心穏やかじゃないエーマがとても可愛かったです。素直じゃないけど根は優しいからなぁ。終盤、フォリーナの正体を知って、自分がまたとない機会を邪魔してしまった事に落ち込んでいる所とか、なんとも切ない。
でも、フォリーナとエーマって凄く良い友達になりそう。立場は全然違うし、今後会う事があるのかすら分からないけど...もし仲良くなれたなら。同じようにアルトを想って、ライバルとしてケンカしても中の良さは壊れない、そんな関係になりそうな気がします。
そして終盤の展開は熱い。姫のピンチに駆けつけるのは、いつだって騎士なのです。1日限りの夢が、この事件があった事で分からなくなりました。ラストには凄い引きもあったし、これは今後も目が離せません。