火の国、風の国物語 11

前巻でアレスが再起して、さぁこれから...と言う所でしたが、今回はフィリップとジェレイド側の話がメイン。
とても面白かったです。アレスの話は一旦置いて、その相手となるフィリップとジェレイドに焦点が当たったのですが、どちらも並外れた才能を持つキャラだけあって、その言動を追っていくだけで楽しい。相変わらず優れた策略を駆使して、少ない兵力で最大限の戦果を上げるジェレイド。王国と和解した雰囲気もありましたが、そのまま黙っている訳も無く。一気に打って出ましたが...それをフィリップが完全に食い止める。ちょっとフィリップを見直した。パンドラの助けがあるとは言え、やはり元々の実力が無いとこうは行きませんね。
そしてアレスの出番が最後まで無いのか? と思いきや、ちゃんと見せ場はありました。それも最高のタイミングで。呼べば来る。この信頼関係は本当に凄い。殆ど偶然みたいなものだったけど...その偶然すら味方に付けるのが英雄。笑っちゃうような奇跡だって、こんな風に使われたら盛り上がるしかありません。素晴らしかったです。
と言う訳で、とても楽しかった1冊でした。続きにも期待。エレナに不穏な空気を感じるのが不安だけど...。