あるいは現在進行形の黒歴史 2

シリーズ2冊目。妄想大好きな妹がノートに書き綴った6人の天使の設定が、5人の幽霊と1人の死神を巻き込んで現実化。逃げた元幽霊の天使5人を捕まえるマリスを主人公と妹が手伝うお話の続きです。前巻で主人公と妹の元で一緒に暮らすようになったのは死神・マリスと天使ロザリンドの2人。今回は夏休み。海水浴へと赴いた主人公達ですが、そこでロザリンドにスポットを当て、残り4人のうちの1人・アイシャリアが話に絡んでくる展開。
面白かったです。登場キャラクタがとても魅力的で良かったです。1巻から引き続き、とにかくテンションの高い妹は相変わらず。ノート1冊に自分の妄想をビッチリと書き込み、それが現実化して大喜びする痛さと、欲望に忠実な積極性を持ちつつ、それが嫌味にならない微妙な小悪魔っぷり。さらに主人公である兄が大好きと言う設定が合わさっているのですが、全て痛い娘っぷりが覆い隠している感じがして、憎めないキャラになっていて良い感じです。また、今回スポットの当たったロザリンドも、マリスと共に主人公にベッタリ。騎士を名乗るだけあって、表面上は取り繕っているけれど、すぐにメッキが剥がれてマリスと主人公を巡るラブコメに突入するのが面白いです。ロザリンドもマリス、性格は全く逆だけど、2人ともシッカリとキャラが立っていて、読んでいて飽きません。キャラが素敵だとそれだけで面白いですね。
また、主人公の幼馴染も良かったです。最初と最後にしか出番がないのですが、これも見事に天使たちや妹とは性格が違っていて素晴らしい。天使たちの事を隠す主人公と喧嘩する展開がとても切なくて良かったです。本当の事を話してしまえば良いのになぁと思ってしまった。ちゃんと話せば分かってくれると思うんだけど。嫉妬もされそうだけど。
こんな感じで普通に楽しめた1冊でした。ヒロインが1人増えて、残る天使は3人。次はどんなキャラクタが飛び出してくるのか、今から楽しみです。