かんなぎ家へようこそ!

第2回GA文庫大賞・奨励賞受賞作。
主人公は人間に混ざって高校に通う座敷童子。人の幸せを願う主人公が、不幸そうな学校の生徒・帯を幸せにするため、自宅であるかんなぎ家で暮らすよう、招くのだが...と言う感じで話が始まります。
主人公とヒロインである帯のトークが、ひたすらボケとツッコミを繰り返す形なので、物凄くテンポ良く読めました。少しやり過ぎなぐらい、ボケとツッコミが繰り返されるのは、ある意味壮観。また、かんなぎ家の住人は、百目鬼である長女、犬神である次女、人間で巫女さんである三女と主人公と言う構成で、個人的には次女のハナが可愛らしくて良かったです。72歳のゴスロリ美少女、犬神だけあって犬っぽく、構って遊びたくなる性格なのが読んでいて楽しかったです。
しかし、主人公の言動があまり好きになれなかったのが残念。「人の幸せを願う」と聞くと、良い事をしているように思えるのですが、どちらかと言えば「人が幸せになる事で、自分が幸せになれる」と言う部分に重きがあるように感じました。自分の為に人を幸せにすると言う価値観自体は全然悪い事では無いと思うのですが、読んでいてどことなく引っかかったのはなんでだろう。微妙に上から目線なのが気になったのかなぁ。