ふぉっくすている? 1本目

第6回MF文庫Jライトノベル新人賞・佳作受賞作。深夜の高校に忘れ物を取りに戻った主人公は、狐の嫁入りに遭遇してしまう。その場は逃げたが、後日、祝言を邪魔された妖狐・橘が主人公の元にやってきて、、責任を取れと迫るのだが...と言う展開。主人公の正体は、実は九尾の狐。とある事情により、普通の人間として暮らす事を自分の使命だと思っていると言う設定です。
狐の嫁入りが本当に妖狐の祝言で、それを邪魔した主人公の元に押しかけてくる設定は良い感じ。しかし登場人物がどうにも好きになれず、肌に合わない1冊でした。主人公の行動は「普通の人間として正しいか? 」と言う価値観を中心にしていて、目の前の事態に対してこの基準に当てはめ、行動するかどうかを決めるのですが...事ある毎にこの確認が出てきて、読んでいて段々鬱陶しく感じるようになってしまいました。この価値観は主人公に取ってとても大切なものだと言う事は分かるけど、こうも毎回毎回出てくると、流石に食傷気味。また、メインヒロインである狐の橘は可愛らしくて良かったのですが、生徒会の先輩・泉さんが微妙に上から目線でどうにも。これは橘が怒るのも分かるなぁ。
しかし作者の人、凄い経歴ですね。もう1作、来月出る作品でも佳作を同時受賞、さらにGA文庫の新人賞まで同時期に受賞って。GA文庫の方は既に買ってあるので、今度読もう。