神剣アオイ 3

シリーズ完結。力を持ち過ぎた「賓」と刺し違えて滅ぼすために生まれてきた「神剣」のアオイが、主人公と出会い、生き方を改めるお話の最終巻です。
先代神剣の相棒であり、主人公の担任教師である嵯野が大きく話に絡んでくる最終巻。神剣を滅ぼさずに人間関係...と言うか恋を育む主人公とアオイ。嵯野は自分の力不足が故に、先代の神剣を滅ぼしてしまった事を後悔し、主人公の甘い考え方ではいつかアオイを失ってしまう、とそんな想いからキツく当たるのですが、読んでる側から見れば、どう見ても嫉妬。やり場の無い想いが暴走して、最悪に近い形で発露してしまったように感じました。それだけ、神剣の事を想っての事だとは分かるんですが...後悔と嫉妬に年齢は関係ないんだなぁと思いました。
主人公の考え方が甘いのは分かっていますが、でもアオイとのコンビならば、誰も成し遂げられなかった事をやってくれるんじゃないか...と思います。アオイと主人公の2人だけでは厳しいかも知れないけれど、2人には支えてくれる知り合いが沢山いる。嵯野の暴走に一旦は諦めかけた主人公をぶん殴ってでも導いてくれる力強くて優しい幼馴染に、知り合った多くの「賓」。そして勿論、嵯野も。この物語の続きには多くの困難があると思います。話はここで終わりますが、でも、きっとそんな困難を乗り越えて、幸せな未来を掴んでくれる。そう思わせてくれるお話でした。満足。