ヴぁんぷ! 5

久しぶりのシリーズ新刊。島で起こった連続殺人事件。犯人が捕まらず島民に不安が広がる中、島にとある血族の吸血鬼達が訪れて...と言う感じの展開。
ヴォッドの格好良さが半端無かった1冊。悪態をつきながら、しかし市長としての立場で事件にあたり、最後には身体を張って暴走するレリックの前に立ちはだかる。凄い凄い。誰が殺人事件の犯人なのか分からず、島に来た吸血鬼達は何か企みがある模様...と、全体的に不安漂う雰囲気で話が進むのですが、それを吹き飛ばすぐらいヴォッドが素晴らしかったです。
組織と仲の悪い血族の吸血鬼はレリックと衝突し、探偵を自称する吸血鬼も島にやってきて連続殺人事件の調査にあたってはヴォッドと衝突する。相変わらず幾つもの視点に分かれて話が進みますが、これまた相変わらず話はちゃんとまとまっています。
事件にヒルダが巻き込まれ、終盤の展開はヒヤヒヤしたのですが、何となくこのシリーズはハッピーエンドになるような気がしているので、不安と安心感が同居する、何とも言えない読み心地でした。一応最悪の展開だけは避けられたようだだけど、最後には大きな伏線を残して終わっているので、この先の展開が気になります。次はいつ出るのだろう。