ほうかご百物語 9

シリーズ9冊目。これが本編最終巻。
前回の大祓を回避しで、最大級の危機を脱した主人公達。家をなくした主人公はイタチさんと同居を始めたりと、幸せで平穏な日々が戻ってきた...と思いきや、イタチさんにチラつく、時々姿が薄くなると言う不穏な影。
ドタバタした日常にイタチさんの可愛らしさが光る、いつも通りの展開にホッとしつつ、時折混ざる怪しい気配に不安を煽られながら進んだこの巻。分かってはいるんです。この物語に大団円以外なんてあり得るわけが無いと。でもクライマックス、もしかして? と思わせるような緊張感漂いながら続いた展開には手に汗を握りました。
そしてラストは...見事に大団円。主人公が呟いた「どうしよう、幸せだ」の一言に、全てが集約されているように感じました。気負って飛び出した言葉では無く、ふと溢れた本音。普段から思った事をすぐ口にする主人公だけど、そんなひたすら一途にイタチさんを想い続けた主人公だからこそ、辿りつけた結末。もう、おめでとうと言う言葉しか出てきません。9巻まで読んできて良かったなぁと思わせてくれる、本当に素晴らしい結末。大満足でした。お幸せに!
残りは短編集が1冊だそうで。最後1冊、楽しみにしています。