百億の魔女語り 1

竹岡葉月の新作。
主人公・アルトは、クローブラクビーみたいな競技)の学生大会で全国制覇を遂げたチームのエース。しかし魔術学院の卒業証書を得るためには、最低でも卒業実地研修を受ける必要がある。競争率の激しい甲種魔術は無理...と、アルトが選んだのは乙種魔術、その中でもマイナーな魔女術。研修先は魔女たちの住む館で...と言うお話。
とても面白かったです。研修先の魔女の館で暮らしているのはは、大魔女・リリカと3人の魔女、執事とメイド。魔女術と言うだけあって、学んでいるのは女性のみ。男子である主人公は、なんと女装して乗り込むのですが...女装と言っても女の子の服を着ただけと言うレベルで、速攻バレていきなりイザコザ。主人公がどう打ち解けていくか? が楽しみでしたが、持ち前の体育会系のノリで挑んでいく様が清々しい。一番歳の近い魔女・エーマの反感をいきなり買って始まったものの、徐々に距離が縮まっていく展開が良かったです。
そしてこのままアッサリと仲良くなるのか? と思わせておいて、中盤で思わぬすれ違い。これが切ない。アルトの言い分はもっともだけど、エーマの心情も凄く理解出来て、読んでいて何とも言えない気分になりました。けど、仲直りの下りがとても良くて満足。良かったなぁ、エーマ。
しかし、これで終わらないから凄い。丸く収まったか...と思ったのも束の間、そこから更に一捻り来るとは、全く予想もしていませんでした。キッチリと騙されたよ!! 話の展開が全く分からなくなりました。この巻は完全に序章だった...。本番は次の巻からですね。序章だけでこれだけ面白いのだから、続きはもっと面白い。そう期待して、次の巻を待ちたいと思います。