おやすみ魔獣少女

富士見ファンタジアで『ダークエルフの口づけ』を書いていた、グループSNE川人忠明がスニーカーから新作。
主人公は山奥の貧しい村に住んでいた少女・エスト。ある日、皇都から来た男女2人組に都まで連れ去られてしまう。そこで告げられたのは、自分が親皇家の血を引いている事。当主が戦死したため、代わりに当主を継ぎ、「領域魔術師」となって戦えと言われるが...と言う感じに話が始まります。
微妙に肌に合わず。楽しみ切れなかったと言うのが正直な所でしょうか。ガンガン人が死んでいく重めな展開の中、主人公をさらった2人の掛け合いがとても軽くて、どうにもアンバランスな感じがしてしまいました。ただの軽口で、いざ戦いとなればしっかりとシリアスな雰囲気になるのですが、ギャップが結構大きくて、どうにも気になって仕方が無い。
主人公の少女・エストも、強引に戦いを強制されてもう少し反発するのかと思いきや、割と早いタイミングで現状を受け入れたので、「あれ?」と思ったり。反発してるかと思いきや、何時の間にやら打ち解けていたし。ここでゴネて、いつまでもいがみ合う展開も、それはそれで厳しいけど。それだけ素直で、しかも現実を見つめる冷静さも持ち合わせているんだろうなぁ。
こんな感じの1冊でした。タイトルの意味が良く分からん。どの辺が「おやすみ」なんだろう。この謎が解けるまでは読んでみるべきか...。