学園とセカイと楽園

とても久しぶりな七月隆文の新刊。
そこで起こった事は近い未来、規模を国レベルに拡大して現実のものとなる。そんな学校『楽園』に日本代表の一員として通う事となった主人公。学園の生徒は皆それぞれ、世界から認められた自分の本質「ベクトル」を持っており、主人公はのベクトルはなんと「最強の魔法使い」。その「最強」の力を狙い、各国の生徒から狙われる事になり...と言う感じで話が進みます。

結構面白かったです。国を代表した生徒たちが学園で代理戦争を繰り広げ、その勝敗によって現実世界での国家間のパワーバランスに反映されると言う設定で、もちろん国名は架空のものになっているものの、大体どこがどの国なのか分かってしまうのはちょっと微妙なんですが...終盤の物凄い展開は普通に熱くて面白かったです。
「最強」と期待されて、状況が飲み込めないまま周囲に振り回される主人公。クラス代表のヒロインの信頼は厚いものの、ロクに力を使えず皆の期待に答えられなかった主人公がちょっと不憫に思いつつ、「主人公が成長していく話か...」なんて思っていたのですが。最後の最後でやってくれました。あまりの展開に乾いた笑いがこみ上げました。最強の称号の何たるかを見せつけられた気分。すげぇよ...。これは今後の展開から目が離せません。続きが楽しみです。