斬光のバーンエルラ

王道ファンタジーと言う事で読んでみました。人間と魔法じみた力を使う種族・エルーランの間に生まれた男子が主人公。エルーランの力の源・エルラ鉱石を採掘する鉱山で働いていた主人公は、ある日、暗殺者の少女・メイロンに襲われる。危ない所をもう1人の少女・ティナに救われ、メイロンに話を聞いて暗殺を依頼した人物に文句をつけるため旅に出るのだが...と言う展開。

主人公の無謀っぷりが物凄い事になってます。軽くてサクサクとテンポ良く読めて面白い事は面白いのですが、おバカの一歩手前ぐらいまでの直情さは、読んでいて「いやいやいやいや」と突っ込みたくなりました。命を狙われた → むかつく → 殴りに行こう! と言う発想はなかなかに斬新。しかも相手はそこらのゴロツキとかじゃなくて、暗殺を依頼してくるぐらいの大物(城に住んでる貴族とか)だし。

しかし旅立ちに際して母親から意味ありげな短剣を渡されるのですが、伏線として引っ張るのかと思いきや、早々に謎が明かされる展開は良い感じ。主人公の出生の秘密が早々に明らかになり、何故命を狙われるのか? とか、何故エルーランの民から敬意を向けられるのか? と言う部分もサクッと分かるのが良いですね。この設定ありきで話が進むのなら、帯にあった「覇道ファンタジー」と言うアオリ文句も頷けます。
また、ドンドンとヒロインが増えていくのが凄い。最初は主人公とヒロイン2人の旅だったのに...このラストの展開だと、次の巻からは女性4人と旅するんでしょうか? 登場人物が多い上に個性的なキャラが揃ってるし、読んでて飽きなさそうです。続きが楽しみ。