笑わない科学者と時詠みの魔法使い

  • Title : 笑わない科学者と時詠みの魔法使い
  • Author : 堀内優一 / Illust : 百円ライター
  • ISBN:9784798600338 / HJ文庫

評判が良さそうなので購入。物理専攻の大学生が主人公。教授の頼みで、1人の女の子と同居する事になったが、この女の子、本物の魔法使いで...と言う感じのお話。

面白かったです。主人公は過去のとある事件のせいで感情が表情に出せなくなっており、ヒロインはヒロインで、過去の事情で人と仲良くなる事に恐れがある。最初はトゲトゲして主人公との間に距離を置こうとしたヒロインですが、主人公が物凄く出来た人ですぐに打ち解けていく展開が良い感じ。ヒロインは中学生ぐらいなので、年の離れた兄妹を見ているかのようでした。

物理を専攻する人間と魔法使いって相反する所がありそうですが、主人公は魔法を「非科学的だ」と拒絶する事は無く、むしろ反対に「見てみたい」と言う。これがとても好印象。科学者なら知的好奇心をそそられるのは当然ですよね。しかし、主人公がやたらと献身的なのは少し気になった所。ヒロインはとある組織から負われているのですが、文字通り命を懸けて守り抜く勢いでした。過去の事情のせいですが、いくら子供とは言え、出会ってほんの少ししか経っていないヒロインに対して、ここまでするのか...とも思ったり。ちょっと展開が早かったです。
それでも十分に面白かったので、続きがあるなら読んでみたい。満足。