円環少女 11

前巻がメイゼルの巻だったならば、今回はきずなの巻。今回も物凄い内容でした。
これまで戦闘と無縁の所にいたきずなですが、前巻では止むに止まれず戦いに参加し、遂にしがみついていた日常から手が離れて。メイゼルや仁ほどに戦う意思が固まっていないのに、状況がそれを許さない。ドンドンと堕ちていき、泥沼の中でもがくかのようなきずな。仁とメイゼルの絆はひたすら固くなる一方なのに、きずなはそうは行かないのが読んでいて辛い...。再演体系と言う魔法を使えるが故の地獄。彼女が幸せになる日なんて来るのだろうか? なんて思ってしまうほど、絶望的だよなぁ。
きずながもがく一方で、王子護のでっち上げたアトランチス、《九位》との決戦、そして核。怒涛のように進む終盤の展開には、ただただ驚かされるばかりです。読んでいて、「この状況...どうすんの?」「えーーーー!!」みたいな状況が2, 3回繰り返されたような気がします。本格的にクライマックス。続きにも激しく期待。