パラケルススの娘 9

先月の新刊。ようやく読了。
前巻で一通りの謎が明らかにされ、最後に残った謎はクリスティーナの行動の理由。投げっぱなしな感じでこの巻に繋がっていますが、この巻で少し明らかに。何百年と言う時を逃げ続け、その果てでここに至ったのかと思うと哀しいものがありますね...。
けれど、そんなクリスティーナを前に、啖呵を切る遼太郎の格好良さが光っていました。こんな状況でも自分らしさを失わずに立つ事が出来るって凄いよなぁ。彼の声がクリスティーナに届いたかどうかはまだ分からないけれど、きっと届いたと思いたいです。
バ(略)の人の見せ場もとても良かったです。正直、自分を魔術師だと言い張っているだけのキャラかと思っていたのですが、その裏にはちゃんと理由があって、本人は全て分かった上でやっていたとは思いもよらず。そして、母親を前に本音を語るシーンが素晴らしい。想い人のため、被っていた仮面をかなぐり捨てて役に立とうと頑張る姿ががとても格好良かったです。人が成長する瞬間を目の当たりにした気分。
今の所シモンに一方的にやり込められた形で進んでいますが、次の巻では逆襲がある...よね? この巻のラストがあんな感じだった訳だし。次で完結っぽいので、どんな結末になるのか今から楽しみです。