オルキヌス 3 稲朽深弦の調停生活

早くもシリーズ3冊目。事務所の先輩調停員が不在である事がバレ始め、早急に実績を積まないと調停員を首になるかもと、焦る深弦。しかし実績確保に焦る姿勢を、セシルに釘を指され...と言う展開です。
自分の保身のための調停なのか、オルカの事を思っての調停なのか。調停員を続けるためには手柄を立てねばならず、しかしそれは自分のため。難しいジレンマに直面して悩む展開は、いつに無くシリアスな展開でした。これまでは軽くて緩い展開が多かったので、ちょっと新鮮な感じ。けど、これはいつかはぶつかる問題だったと思います。自分の望みで島にやってきた以上、そこにはどうしたって「自分のため」と言う部分はついて回る訳だし、それは目を瞑って良い問題じゃない。こうして真正面から向き合って、悩むのは大事な事だなぁと思いました。これでまた一つ成長。ドンドン頼りになって行きますね。
今回は最後までシリアスな展開が続くかと思いきや、そこはやっぱりオルキヌス。ちゃんと終盤は真面目な展開の中にもコメディな要素がタップリあって、面白かったです。土蜘蛛美味しいなー。

こんな感じで、安定して楽しめた1冊でした。ただ、少しずつ話は進んでいますが、そろそろ大きな軸が欲しいかも。今回、ちょっとだけ伏線らしい伏線が張られたので、今後どう展開していくのか楽しみです。