魔王城 三限目

使い方次第では大きな災いをもたらす程の超強力な魔力を持ち、「魔人」として疎まれている子供達が集う学校を舞台としたお話の3冊目。

時々忘れるけど、ユーニィってまだ5才なんですよね。どれだけ力を持っていようとも、精神は普通の子供と変わらない訳で。怖いものは怖いし、とっさの事態にはオロオロしてしまう。でも子供だからこそ、身を持って学んだ事は忘れない。成長の様子が微笑ましくて良かったです。
...なーんて思いながら読んでいたのですが。途中から読んでて哀しくなってきました。せっかく街の人との距離が縮まってきて、このまま行けば皆幸せになれるかも...と、思わせてくれる展開だったのに、中盤から急転直下。
アプリールの話が可哀想でなりません。普段はお姉さんキャラでシッカリ者ですが、そこは年頃の女の子。自分の容姿について不安がるのはとても良く分かる。しかしそこにつけ込んでのこの展開は辛い...。普通の人間の方がよっぽど悪意に満ちている。魔人の子供達が、皆良い子ばかりだから、尚更です。「なんでこのまま幸せにしてあげないの!!」 と、理不尽さすら感じてしまいました。
怖いのは、これでどん底じゃない事。むしろ、本格的に厳しい展開になるのはこれからだよなぁ。どこまで辛い展開が待っている事やら。最後は幸せに終わって欲しいけど...。