クロノ×セクス×コンプレックス 1

壁井ユカコの新シリーズ。
時計屋の三代目として生まれた主人公・三村朔太郎。高校の入学式を迎えた朝、家の仕事の手伝いで、とある場所に修理した時計を届けようとしたら、行き着いた先は時間を操る魔法を教える学校。しかも何故か性別が女の子に変わっていて、元の世界に戻れなくなった朔太郎は、女の子の姿のまま、その学校の新入生として迎えられる事になり...と言うお話。

とても面白かったです。性転換ネタに魔法学校、女子寮での生活。様々な要素に溢れ、しかも時間ループがあるため次がどうなるのか全く分からない。読んでいてワクワクしっぱなし。また、どこかコミカルな雰囲気が作品全体にあるので、深刻な展開になっても、何となく安心して読めるのも良かったです。何となく、児童文学を読んでいるような気分になりました。
元の世界への道を探すため、女子寮の自治組織みたいな所に入る事が当初の目的なんですが、ライバルとなる少女との交流もグッド。特に後半、徐々に距離感が縮まっていく所が素敵でした。

と言う訳で、凄く楽しめた1冊でした。このまま、この雰囲気を保って続いて欲しいですが、司書の存在だけが不吉。何となくFateを連想してしまったし。...まぁ何にせよ、この先どんな展開が待っているのか、非常に楽しみです。