末代まで! LAP1

第12回学園小説大賞・大賞受賞作。
霊能体質な主人公は、入学した高校のクラブ説明会で幽霊を見てしまう。そのクラブ・心霊研には、本物の幽霊部員がいた! 流されるままに入部した主人公は、巨大な老婆の幽霊に乗って超高速なレースをする、老婆走(ババアレース)の騎手をやる事になり...と言うお話。

設定が見事で面白かったです。老婆走は老婆が車体、エンジンは部員の幽霊。幽霊の気合が大きければ大きいほど速度が出ると言う設定。さらに騎手は幽霊を一時的に背後霊とし、その幽霊を励ましたり宥めすかしたりしてレースをやると言う設定が素晴らしい。細かい所までちゃんと考えられているのが良い感じでした。
ヒロインは心霊研にいる幽霊2人で、お菓子と祟りが大好きなお岩さんと、ゲーム大好きな花子さん。花子さんも捨てがたいけど、お岩さん可愛いなぁ。終盤まで出番があんまり無かったから、これは花子さん大勝利か? とか思ってましたが、そんな訳がありませんでした。ラストのレースではホロリ。
しかし、てっきりレースの話が主体になるかと思いきや、どちらかと言えば花子さんやお岩さんとのやりとりがメインになっていたのが少し残念。もうちょっとレースの話が読みたかったです。続きが出るなら、是非とも読みたいです。