漂う書庫のヴェルテ・テラ

『ライタークロイス』が完結した川口士の新シリーズ。
星々の力を借り、超常の力を振るう星導師。その教団が中心にある世界で、主人公は教団から逃げた外法星導師。本の精霊であるレジィナをヒロインに、重度の読書狂である2人がまだまだ高価な品である本を探し、世界中を飛び回ると言うお話。有名な書の情報を耳にし、早速赴くのだが...と言う感じで始まります。

それなりに面白かったです。読書に対する執着がとんでもないキャラが主役を張る...と言う作品はいくつかあった気がしますが、ここまでのアグレッシブさを兼ね備えているのは初めて読んだかも。暴虐な地方領主をはり倒し、焚書を目の前にすれば怒り、隠された遺跡では守護する魔物をなぎ倒す。そして手にする報酬は財宝よりも本重視。ここまで徹底して本を追い求めるのはなかなか凄い事だと思います。
そして主人公の星導が強い強い。殆ど反則な域ですね...。他のキャラが剣と普通の魔法で戦っているのに、1人だけメテオが使えるようなもんです。色々と制約があるみたいですが、それでもどうやら規格外の強さっぽい。

ヒロインが何で主人公にくっついているのか良く分からないんですが、本の精霊としては、ここまで本を愛する男に惹かれるのはある意味当然なのかも。また、もう1人教団の星導師に昔馴染なサブヒロインがいますが、こっちは何と言うか、既に可哀相なポジション。報われないオーラを全身にまとっているのが不憫でなりません...。

こんな感じの1冊でした。前作は地味な印象が最後までついて回ったのですが、今回はどうなることやら。