へヴィーオブジェクト

鎌池和馬の新シリーズ。超大型兵器『オブジェクト』。あらゆる通常兵器を凌駕し、核攻撃ですら防ぎきる戦争の切り札。戦争の方法は変わり、オブジェクト同士の戦いの結果がそのまま戦争の結果と等しくなった世界で、とある事情から、戦場への派遣留学生の主人公とレーダー分析官の軍人の2人が『オブジェクト』に生身の身体で挑む事となり...と言うお話です。

主人公達に特殊能力は一切無く、とんでもない兵器に文字通り生身で挑み、行動範囲の地形に特化した『オブジェクト』ならではの弱点を頭を使って見つけ、破壊する。力で及ばない存在に対して頭を使って挑むと言うシチュエーションは大好きなのですが、これは肌に合いませんでした。

この作者の主人公の持つ一番の能力は「生き残る力」だと思います。『禁書目録』の当麻もそうだけど...いや、死ぬだろこれ。運が良いとか悪いとかそんな次元を遥かに超越した状況で、どうして五体満足で生きて戻ってこれるんだろう。時速200kmで移動する100メートル級の巨体が暴れまわっている海に落ちて溺れないとか、流石に状況が意味不明過ぎる。読んでいて違和感バリバリでした。...まぁ別に海に詳しい訳じゃないから、実はそう言うものなのかも知れないけど。
他にも細かく気になる部分が多数あって、どうにも楽しめず。細かい事なんて気にせず、勢いで楽しむのが良いんだとは分っているんですが、一回気になっちゃうと最後まで違和感が拭えず。残念。